大阪地方裁判所 昭和47年(ワ)5293号 判決 1973年8月04日
主文
一、別紙目録(1)記載の土地につき
(一)、被告山田勝弘と原告との間において、同被告および原告が各二分の一の所有持分を有することを確認する。
(二)、被告山田勝弘は大阪法務局八尾出張所昭和四六年二月一日受付第二一八五号所有権移転登記を、高村和子の共有持分二分の一についての共有持分移転登記に改める更正登記手続をせよ。
二、別紙目録(4)記載の土地につき
(一)、被告奥殿次男と原告との間において、同被告および原告が各二分の一の所有持分を有することを確認する。
(二)、被告奥殿次男は大阪法務局八尾出張所昭和四六年二月一日受付第二一八六号所有権移転登記を、高村和子の共有持分二分の一についての共有持分移転登記に改める更正登記手続をせよ。
三、訴訟費用は被告らの負担とする。
事実
第一、原告は主文同旨の判決を求め、請求の原因として、次のとおり述べた。
一、別紙目録記載の土地は亡今津しずの所有であつたところ、同人は昭和四四年八月二八日死亡した。
二、右死亡当時同人には原告、訴外本橋晴子および同高村和子の三人の子があり、そのうち高村和子は今津しずとの養子縁組届を経ており、他の二人は婚外子のままの身分関係にあつたため、その相続分は原告四分の一、本橋晴子四分の一、高村和子二分の一の割合で共同相続すべきところ、本橋晴子は、一貫して今津しずの世話をなした原告に対して自己の相続分を昭和四六年四月一二日譲渡したので、原告と高村和子の相続分は各二分の一宛を有するに至つた。
三、ところが、高村和子は自己のみが養子縁組届を経ておることを奇貨とし、今津しずの遺産をひそかに売却処分することを企て、他の相続人には無断で自己が全所有権を取得した旨の虚偽登記をなしたうえ
(一)、昭和四五年一二月一四日ごろ被告山田勝弘に対して別紙目録(1)記載の土地の売渡契約をなし主文一(二)記載どおりの所有権移転登記手続を了し
(二)、同日ごろ被告奥殿次男に対して同(4)記載の土地の売渡契約をなし主文二(二)記載どおりの所有権移転登記手続を了している。
四、しかし、右は原告の有する二分の一の持分については無権限者による無効な処分であるので、原告は相続回復請求ないし所有権侵害に対する妨害排除請求として、被告らに対し各主文どおりの判決を求める。
(別紙)
目録
(1) 八尾市東山本町三丁目一七番の一
一、宅地 八四・二六平方米
(2) (省略)
(3) (省略)
(4) 八尾市東山本町三丁目一七番の三
一、宅地 八二・六四平方米